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人を描くことが、昔から好きでした。
人の姿を眺めていると、なぜその表情をしているのか、どんな時間が今の姿をつくったのか。いつしか、そんなことばかり気になるようになりました。
大人になるにつれ、関心を持つようになったのは、心理学や哲学、科学、歴史。一見すると離れた分野ですが、私が共通して惹かれていたのは、表面からは見えにくい構造や成り立ちでした。その関心を物語にしようとしたとき、最初に選んだ題材が「影」でした。
構想と書き直しを重ねるうち、影から始まった物語は、夢、死後、身体と魂、複数の世界へと広がり、『カゲリノセカイ』になりました。
『カゲリノセカイ』は、同じ世界を舞台に、時代や主人公を変えながら進む複数部構成の物語です。各部はそれぞれ独立した物語でありながら、人物や出来事を通じて少しずつ結びついていきます。
制作で大切にしているのは、人物を物語の都合で動かさないこと。何を知り、何を知らず、何を恐れ、何を守ろうとしているのか。その人なら、その状況で本当にその選択をするのか。そうしたことを一人ひとり確かめながら、物語を組み立てています。
この世界に生きる人たちが何を選び、どこへ辿り着くのか、最後まで描いていきます。
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